先日、華道『池坊』の中央研修学院の授業のため、京都の六角堂へ行ってきました。
※池坊中央研修学院のお話はこちら。
通常は東京の御茶ノ水の校舎で授業なのですが、年に一度、京都の六角堂にある『池坊会館』で授業が開校されるのです。
というわけで早速京都へ!
金曜、頑張って夜早く仕事終わらせて向かいましたよ。。。
六角堂は、京都市営地下鉄『烏丸御池』駅から徒歩3分の距離にあります。
六角堂へは、昔行ったことあるのですが、境内にお茶処があり、お抹茶を頂けた記憶があります。
なので今回もお抹茶を楽しみに。
では早速。
六角堂で知られていますが、お寺の正式名称は『紫雲山 頂法寺』と言います。
華道家元池坊の発祥の地としても知られており、池坊中央研修学院の授業が行われる池坊会館は、この『紫雲山 頂法寺』に併設されています。
元々は、頂法寺のお坊さんが本尊の如意輪観音に花を供えていたのですが、そのお花の生け方がとても美しかったことから、その技法が評判となり、華道として確立されていったようです。
池坊のお話は、映画『花戦さ』の鑑賞をおすすめします。
戦国時代の乱世において、野村萬斎扮する池坊専好さんがお花を武器に秀吉に戦いを挑むというストーリー。
映画に出てくる生け花はどれも立派です。
これだけで見る価値ありです!!
映像を見てるだけで、とっても美しいなと思えます。
※冒頭でお坊さんが生け花を町の人々に教えているシーンがありますが、当時はお花の技法は秘伝だったらしいので、あり得ない光景の模様。生け花の技法が万人に開かれている今の時代は幸せですね!!
さて、山門をくぐるとこんな感じ。
でっかく、『観世音菩薩』と書いてあるように、頂法寺のご本尊は、いわゆる観音様でございます。
ちなみに、お寺を観光する場合には、そのお寺に祀られている仏像はどんな仏様かを意識できると、楽しさ倍増となるはずです。
そのお寺の宗派や世界観が分かってきます。
で、観音様はというと、人々(衆生)を救済するために様々な姿に変わるため、「変化(へんげ)観音」と呼ばれている仏様です。
なので、観音様は色んなパターンがあるのです。(千手観音とか聞いたことありますよね??救済手段を無限に持つことを表現していて、さらに全ての手に目がついていて、人々の願いを漏らさず聞く!という意味が込められているらしい。千手観音以外にもたくさんの〇〇観音が存在します!!)
数ある観音様のうち、頂法寺のご本尊の観音様は、『如意輪観音』となります。
僕が愛読する以下の本によると、如意輪観音の役目は次のとおり。
如意宝珠と法輪で、人々に財宝と幸福をもたらす観音。密教のお寺の本尊になるほか、女性を救う仏として信仰されることも多かった。宮中の女性の信仰が篤かったため、女性化された像も多い。
(出典:マンガで教養 やさしい仏像)
この本、ほんとうにおすすめです!!!
仏像の種類がよ〜〜く分かります。
仏像の形や特徴が分かりやすく説明されています。
お寺巡り・お寺観光が好きな方は、この本読むだけでもっと充実すること必至です!!
マンガ形式だしスラスラ読めます。
ちなみに、仏さまのランクが以下のように説明されています。
如来 | 役員クラス |
菩薩 | 部長クラス |
明王 | 係長クラス |
天部 | 転職組(平社員) |
羅漢・高僧 | 転職活動組 |
如来だけでも、阿弥陀如来、釈迦如来、薬師如来、大日如来、、、とたくさんの仏様がいらっしゃいますね。
聞いたことあるのではないでしょうか??
元々、インドでゴータマ・シッダルタさんが興した仏教ですが、仏教の最大のテーマである『苦からの解放』に対し、ひたすら個人で修行する側面が最初は強かったようです。
時代を経て、『大乗仏教』という大きな流れが始まり、万人に開かれた仏教という考え方が成立しました。
このとき、当時インドで民衆の間にすでに根付いていたヒンドゥー教に対抗し、シェア拡大を狙うためにヒンドゥー教の多数の神様に習って、仏様が増加していったのではないか、という説をどこぞの本で読んだことがあります。
なるほどな、と思わされました。
(仏様がたくさんいた方が御利益多そう!!人気出るかも??とかいう単純な発想かしら。。。)
※なので、上記の『天部』が転職組となっているのは、ヒンドゥー教の神々がモチーフになっている仏様だからなのです!!
ちなみに浄土真宗のご本尊は『阿弥陀如来』 一仏です。
南無阿弥陀仏の阿弥陀仏のことですね。
西方にある、極楽浄土にいらっしゃる仏様です。
なので、浄土真宗のお寺は阿弥陀如来像を西から東に向いて配置しています。
例外はありますが。
西に足を向けると怒られたことはありませんか???
その理由は西の方角には阿弥陀如来がいらっしゃるからなのです。
話が逸れました。
話を戻すと、頂法寺は、ご本尊が如意輪観音菩薩であり、天台宗系のお寺だということ。
菩薩とは、ゆくゆくは如来になるんだけれども、人々を導くためにあえて共に修行して悟りを得ようとする存在です。
出家する前の釈迦がもとです。
境内にはお地蔵さんもありました。
合掌地蔵というらしい。
なんともかわいらしいお地蔵さんです。
ちなみにお地蔵さんも菩薩のカテゴリーです。
正式名称は地蔵菩薩です
春には一足早く咲く桜があるらしい。
御幸桜(みゆきざくら)というらしい。
池坊の『立花』の像もあります。
浄土真宗の開祖である親鸞聖人の像もあります。
実は、六角堂は浄土真宗にとって、とてもゆかりのある地なのです!!!
鎌倉時代に、浄土真宗開祖の親鸞聖人は、比叡山延暦寺での修行に疑問を持ち、下山してこの六角堂で百日間の参篭※を行いました。
※引きこもっての祈願
そして、95日目に聖徳太子から「法然(ほうねん)聖人から学ぶように」と夢告(夢のお告げ)があったとのこと。
この地でここから浄土教に目覚めるわけですね~~~
そのため、頂法寺自体は天台宗系とのことですが、浄土真宗の僧侶の自分にも幾分ゆかりのあるところなのです。
親鸞堂という建物もあります。
さて、ようやくお茶処です。
山門を入ってすぐ右側の位置にある、こんな建物です。
でもね、、、、
コロナだから今お抹茶出してない!!!
と言われてしまいました。。。泣
残念すぎる。
お抹茶とお菓子をお昼ご飯代わりにしようと思ってたのに…
もう緊急事態宣言解除されるらしいので、復活してるかなぁ。
今回は残念でしたが、いつもはここでお抹茶とお菓子をいただくことができますよ!
というわけで今回は六角堂の紹介でした〜〜