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渋谷Bunkamuraで開催している『かこさとし展』へふらっと行ってきました〜
『からすのパンやさん』で有名なかこさとしさんです。
これ、小さい時にめっちゃ読んでもらったなぁ〜〜〜
なんとかパンとかなんとかパンとか、色んな種類のパンが登場するのですが、おかん曰く、集中力をつけさせるために1つずつしっかり覚えさせたと。
この絵本は集中力を鍛えるのにとっても有効らしいです!!
もうその頃の記憶はないけども・・・
この本の焼き上がったパンの色合いを見る度に、当時は実家の近くにパン工場があって夕方にパンの焼き上がる匂いが本当にしていたので、そのパンの匂いがいっつも脳内でフラッシュバックしてました。
まさにパブロフの犬状態だったなwww
さて、この展示に行って感じたのは、かこさとしさんは相当に細かいなということ。
『からすのパンやさん』でも見開き1ページに何十匹のカラスや個々に異なる何十個のパンが描かれていますが、その他の作品も同じように人やモノなどが一つ一つ細かく丁寧に1枚の紙の上に描かれているのです。
細部まで徹底的に観察して細かいところまで突き詰めてこだわる性格じゃないと成し遂げられない芸当でしょう。
展示にて個人的に驚いた作品として、2つ挙げておきます。
・『道具』
自動車を構成している大小さまざまの道具、パーツが全て描かれています。
ねじからタイヤからフロントガラスから全て・・・
複数あるパーツは、その数だけ複数分ちゃんと描かれています。
もはや狂気としか言いようがありません。
道具それぞれに役割があって、それが重なり合って車という一つの大きな物体を構成していて、移動手段としての大きな役割を担っている。
一つの部品がその役割を担えなくなると(故障すると)、それが全体に悪影響を及ぼして、自動車としての働きを出来なくなる。
スマホやパソコンもそう、人間の体もそう、一つ一つの小さな部品や物質が合体して大きな機能を構成しているわけで、当たり前のことではあるんですが、こうやって一つ一つを分解して可視化されると、そのすごさやあり得なさに必然的に気づかされます。
当たり前のこととして普段気にもしないことなのですが、その尊さにびっくりしたと同時に、描こうとしたかこさとしさんの発想、細部までの観察力、これを引き出した探求心に心底驚きました。
・『宇宙進化地球生命変遷放散総合図譜』
これほどの狂気が感じられる作品を僕は今まで見たことがありませんでした。
狂気以外の言葉が見つかりません。
ビックバンから現代まで、横軸を時間で縦軸を生物各種とし、時系列に恐竜や人や植物などの全ての生物の進化、絶滅、変遷が大きな紙に描かれています。
大きさは、縦が145~152cmで、横が84~101㎝の紙。
この紙が5枚も連なっているのです・・・
公式図録を買ったので、そこから一部をパシャリ。
これで雰囲気伝わりますかね
いつの時代にどんな生物が誕生していたか、細か~く描かれているのです。
一目見た瞬間、呆気に取られて笑ってしまいました。
これを見ると、人間の歴史なんてほんとちっぽけだなと思えます。
人間の歴史がちっぽけなのであれば、個々人の人間の悩みなんてもっとちっぽけなものなのでしょう。
悩みを解決するのが主目的のどんな宗教よりも、この絵をただただ見つめることの方が悩み解決には効果的かもしれません。
ミクロを知り、マクロに思いを馳せる、ミクロ視点もマクロ視点もどちらも重要なことですが、ミクロのディテールをとことん観察して探求する方が、よりマクロ視点の理解も深まるような気がこの絵を見て感じました。
人と写ってるのと見比べてもらえればその異様なサイズ感が分かります。
これを完成させるのに、生物の歴史、宇宙の歴史等を相当勉強されたのだと思います。
その探求心には驚くばかりです。
なにより、絵を描くということは観察力がないとできません。
おそらく、かこさとしさんは絵本作家でなければ、探偵でも成功していたことでしょう。
シャーロック・ホームズは、タバコの吸い殻を観察してタバコの銘柄を特定するという研究をしていると、得意げにワトソン博士に話すシーンがあった気がしますが、それと同じくらい狂気じみた観察力の持ち主です。
観察するにはまず探求する心がなければいけません。
細部までこだわってとことん探求する。
これはどんな物事にも共通する話と思います。
なかなかできないことですが、だからこそ感動させることができるのでしょう。
『かこさとし展』
久しぶりに良い展示に行った気がしました。
渋谷Bunkamuraで9/4までやってるそうです。
『宇宙進化地球生命変遷放散総合図譜』なんかはぜひ生で見た方が良いと思います。
が、都合つかない方はぜひ図録だけでも購入した方が、その感動を味わえるはずです。
図録はこちら。
今回はかこさとし展の感想でした~
最後もからすのパンやさんの写真にて
おしまい